長浜商工会議所 会頭 大塚敬一郎 |
2024年をDX元年に!
新年おめでとうございます。
2022年はロシアのウクライナへの侵攻、23年はイスラエルとパレスチナの抗争が勃発と、コロナ禍が収まりかけたかと思ったら世界各地で紛争(戦争)が起こっています。
それと同時にロシアや中国をはじめ世界の多くの国々で、民主主義とは対極にある全体主義が台頭してきています。まるで第2次世界大戦前のヒトラーやムソリーニが出現したヨーロッパの状況のような感じがします。日本は終戦以来80年間近く戦争とは無縁で平和を享受してきましたが、今後は予断を許せない状況下になりそうな気配すら感じます。
そんな中、世の中はコロナ前の普通の生活が戻り、日本経済も順調に回復傾向にあると思われていますが、世界情勢を見ると、コロナ前と比べはるかに進歩しています。
ここ2、3年、日本政府は企業に賃上げを要請しています。これは給料を上げて消費を喚起すればGDP(国内総生産)が上がりデフレから脱却できるという思惑からなのですが、今のところあまり効果が出ていないようです。
鶏が先か卵が先かではないですが、生産性が上がってこそ労務費が上がるわけですので、無理やり労務費だけ上げても一時的なものでしかありません。日本はその生産性において世界と比べると完全に遅れをとっていると思われます。それはアメリカではラーメン一杯が4,000円、アルバイトの時給も1時間4,000円になっているのを見れば自明の理です。
日本のGDPは、国の総額ではドイツに抜かれたとはいえ第4位ですが国民一人当たりでみると35位の48,814ドルに落ちています。因みにお隣の韓国は30位の53,051ドル、台湾は14位の68,730ドル、香港は11位の70,448ドルとなっています。1990年当時ジャパンアズNo.1といわれていた頃と比べると隔世の感があります。
なぜここまで他国の生産性が上がったかというと、それはDXによるものと考えられます。昨年末4年ぶりにベトナムへ行ったとき、日本はDXに関して後進国だということを実感しました。高速道路のETCシステムの発信が機器でなく磁気テープのステッカーで読み取れとても簡便であること(コロナ前ベトナムにETCシステムはほとんど無かった)、飲食店のメニューが店のタブレットでなくQRコードを読み込んでスマホから注文できること等々。カーシェアリングもタクシーと共存しながら以前にも増して便利(ハノイの街中で5分以内に指定地点に来る)になっていました。GDP112位のべトナムでさえこのようにDX化は進んでいます。
今後はDXをいかに仕事の中に取り込んで進めていくかがとても重要になってきます。例えば出退勤管理。従来はタイムカードを転記し給料計算を行っていましたが、各自がスマホに出退を入力すれば残業時間や給料計算まで自動化できます。これからはDXで生産性を上げたところが勝ち残っていけるでしょう。
私たちも今年をDX元年として、目の前にある課題からDX化に取り組んでいきましょう。長浜商工会議所もDXに関する研究や、情報収集、発信等に努めてまいりますので、お気軽にご相談ください。