長浜商工会議所 会頭 大塚敬一郎

未来の長浜に向けて

 昨年は大きな出来事が次から次に起こりました。ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射、台湾問題等々、第3次世界大戦や核戦争の危機を身近に感じる事件が立て続けに発生しています。経済面では、円の独歩安で一時1ドル150円までになり、日本経済が世界から取り残されたように感じました。

この30年間で日本の実質GDPは1.25倍にしか増加していなくて、他の先進諸国(米国1.97倍、スウェーデン1.8倍、ドイツ1.45倍)と比べるとその差は歴然で、それは国民の所得(給料)にも現れています。昨年10月、3年ぶりにベトナムへ行ったのですが、街中での飲食費が以前は日本と比べとてもお値打ちだったのが、今回はほとんど変わらないというのが実感でした。1円200ドンが1円160ドンと25%円安になり、なおかつ、この3年でかなりのインフレが進んでいるからだと考えられます。頭では分かっていても実際現地へ行って円の弱さを肌で感じると、30年前のジャパンアズナンバーワンと言われていた時代とは隔世の感がします。

国内でも、入国規制が緩和して来日したベトナムの研修実習生が3か月で帰国したという報道がありました。その研修生はインタビューに「3年間の人生を犠牲にしてまで働くだけの価値(金銭)が日本では得られない」と応えていました。ベトナム現地の送り出し機関でも、ここにきて行き先を日本から台湾など他の国に変更する例が増えてきているとのことで、今後の労働力不足が懸念される事態になりつつあります。

そんななか本年度の長浜商工会議所は、新体制のもと、待ちの体制から自らが動く攻めの体制に変化して行きます。

昨年11月には会議所初のマッチング事業として「モノづくりTECH2022」を23社の会員企業参加のもと2日間にわたり開催しました。また同月には北国街道にあるBIWAKO PICNIC BASE(ビワコピクニックベース 運営・長浜まちづくり会社)を拠点とした「まちなか中小企業相談所」を立ち上げ、商店街の10数社の方々に今後のまちの活性化に関して議論していただきました。

今後は会議所のメンバー皆様参画のもと、このような事業を委員会方式で広げていきたいと考えております。どんな委員会でどんなことをやるかは会員の皆様の発想次第、会議所はそのお手伝いをさせていただきます。会員企業の情報を発信する広報委員会や後継者問題等を話し合う事業承継委員会、起業育成委員会等々、長浜のまちが元気になり私たちの子供や孫が帰って来るまちにするためにはどうすれば良いかを皆様と一緒に考えていきたいと思っております。

今年は長浜のまちができて450年の節目の年です。未来の長浜がさらに耀くための第一歩を踏み出していこうではありませんか。